「破裂」
久坂部羊(くさかべよう)氏の小説で、今ひそかに売れている「破裂」を読みました。
うたい文句は「医療事故」を扱った医療小説でしたが、実際は高齢者問題を扱う役人の立場を借りて、この問題を深刻に見つめた小説でした。
介護を受けておられるかなり高齢の方々は「不自由な身体で、皆に迷惑をかけるくらいなら、元気なままポックリ死にしたい。」と思っていて、ある登場人物がその手助けをしようとする。その方法は久坂部氏の前作「廃用身(はいようしん)」ほどドラスティックではないもののショッキングな方法です。
ある意味この国の少子高齢化に警鐘を鳴らし、高齢者の声を聞きながらの対策を促すような問題作でした。
私も自身が将来のこと、老後がそろそろ不安になる年齢であるとともに、私も妻も高齢の両親(幸い健康ですが)を持つ身なので他人事とは思えませんでした。
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