今日読み終えた本

屍鬼〈上〉

屍鬼〈上〉

屍鬼〈下〉

屍鬼〈下〉

文庫版で5分冊にもなっているこの長い小説を発行当時のハードカバー(上巻・下巻)で知人から借りて読んだ。
物語の面白さもさることながら、「屍鬼」たちが凶暴で恐ろしいバンパイアではなく、姿かたちはもとより内面もきわめて人間的な感情を持った普通の存在として描かれているところが単なる「ホラー小説」の域をはるかに超えていた。
文章自体も「吸血鬼もの」とは思えないほど淡々として穏やかな筆運びで、著者は「神」とか「秩序」とか観念的な「何か」を訴えたかったのではないかと思う。
それにしても上巻545ページ、下巻726ページ、合計1271ページ、読み終えるのに11日間、フー、疲れた。