今日読み終えた本

定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)

定刻発車―日本の鉄道はなぜ世界で最も正確なのか? (新潮文庫)

JR西日本の大事故に合わせるようにタイミングよく発行された、そのタイムリーなタイトルに惹かれて読んだ。
著者の緻密な取材による読み応えのあるルポルタージュ。鉄道の「定刻発車」の単なる技術的なメカニズムだけにとどまらず、その歴史的背景から社会、経済、人との関係にも関わっているところがすごかった。
もちろん今回のJR西日本の大事故には触れていないが、本書を読んでいて、「定刻発車」が乗客も含め、多くの人々の限界に近い緻密な努力によって成り立っている「巨大プロジェクト」だけに、JR西日本は「定刻発車」の本来の意味を見失い、事故発生時とその後の対応も含め、システムそのものを破綻させてしまったのだと思った。