『週刊文春』2005ミステリーベスト10

wakaba-mark2005-12-21

年末恒例のこの企画も今年で29回目。きょう発売の同誌・12月29日号に掲載された。
このベスト10は日本推理作家協会会員(評論家に加えて身内である実作者の方々も含まれる)、ミステリー通、全国有力書店員の方々の投票によって決まったもので、いまや『このミステリーがすごい!』と並んで、最も注目を浴びるランキングである。(実際は『週刊文春』のベスト10の方が歴史が古く、『このミス』はこれに対抗すべく始まったということだ)
第1位にはダントツでまたまた東野圭吾の『容疑者Xの献身』が輝いた。
だが2位以下は、毎度のことだが『ダ・ヴィンチ』や『このミス』とか『本格ミステリ・ベスト10』とは傾向が異なった。いくつか挙げてみると、
1.本年度江戸川乱歩賞受賞作『天使のナイフ』が第2位になった。
2.伊坂幸太郎が2作ランクインした--第4位『死神の精度』、第8位『魔王』
3.今年話題を呼んでベストセラーにもなった歴史ミステリー『信長の棺』が第6位になっていた。
それ以外は順位の違いこそあれ、ほぼ似通った作品が選ばれている。
書店員や実作者の方々が選考に加わっているためか、ある程度のミステリー好きなら知っていて、しかも話題になったり、よく売れた本がランクインしているようだ。私も第1位の『容疑者Xの献身』はもちろんとして、8位までの8冊は今年読んだことがある本だった。
さて、これで各社のミステリーランキングが出揃ったわけだが、私が思うに、例年必ず1、2作は入る上・下分冊をはじめとする分厚くて長〜い大作が、今年はあまり上位に来なかったような気がする。海外翻訳ミステリーでも今年は短編集が数多く上位にランクインした、「短編集の年」だったそうだ。