今日読み終えた本
- 作者: イアンランキン,Ian Rankin,延原泰子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/09/01
- メディア: 文庫
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- 作者: イアンランキン,Ian Rankin,延原泰子
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2006/09/01
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’98年、「このミステリーがすごい!」海外編第6位にランクインしている。
北海油田の労働者が墜落死を遂げ、リーバスが捜査に乗り出すのも束の間、1960年代にスコットランドを震撼させた絞殺魔“バイブル・ジョン”が復活したとしか思えない同様の手口の連続事件が30数年を経て発生。当時事件は迷宮入りとなっていた。
リーバスの地を這うような捜査が始まる・・・。
一方、かつてリーバスが逮捕に関わった服役囚が冤罪を訴え獄中で自殺し、内部調査が行なわれる。一度にいくつもの事件が同時多発的に起こる、いわゆるモジュラー型とでも言うべき展開で、リーバスはひたすら忙殺される。
しかし、そのひとつひとつの課題との関わり方を通して、主人公リーバスの一匹狼的な個性と孤独な姿が浮き彫りにされてゆく。
本書の何よりの読みどころは、’80年代以降ミステリーにおける重要なファクターとなったサイコ・スリラーを、新たな視点から料理しなおしているところであろう。
本書は、現代英国風ハードボイルド警察小説に新機軸のサイコ・サスペンスを加味した秀作である。
ちなみに、イアン・ランキンは’03年発表の、同じく<リーバス警部>シリーズの「甦る男」でアメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」・通称エドガー賞の’04年度最優秀長編賞も受賞している。英米両国でミステリー界の頂点に立ったのである。