今日読み終えた本

ラスト・コヨーテ〈上〉 (扶桑社ミステリー)

ラスト・コヨーテ〈上〉 (扶桑社ミステリー)

ラスト・コヨーテ〈下〉 (扶桑社ミステリー)

ラスト・コヨーテ〈下〉 (扶桑社ミステリー)

“当代最高のハードボイルド”、“現代ハードボイルドの到達点”、 マイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ・サーガ>シリーズ第4弾。
’96年、「このミステリーがすごい!」海外編第7位にランクインしている。
今回ボッシュは、上司とのトラブルで強制休職の処分を受け、精神分析医のカウンセリングを受けている。そんな彼は、この時間を利用して、彼自身のトラウマとも言うべき
33年前の、母親殺しの未解決事件と対峙するのである。「おれは・・・母を殺した犯人を見つけるつもりなんだ」。上巻は、このカウンセリングの場面から始まり、かつての母親の友人に会ったり、当時事件を担当した元刑事を訪ねてフロリダに出向いたり、彼の孤独な捜査が続く。
下巻にはいり、ストーリーは一気に転回する。新しい恋人との出会い、今は亡きもうひとりの元刑事の妻への訪問、上司の殺害事件、そしてついに実現した母親殺しの容疑者との対決。例によって、二転三転する真相への道。苦難の末にやっとたどり着いた哀しい真相。
そしてボッシュは、今回の件で新たな原罪を背負ってしまうことになるのだが、果たして今後の彼の行き着く先は・・・。本書は、そんな余韻を残す傑作である。


これで、現在邦訳されているコナリーの長編は全部読破したことになった。