今日読み終えた本

クラスルーム (ミステリーYA!)

クラスルーム (ミステリーYA!)

理論社の「ミステリーYA!」というシリーズの一冊。
犯人(ホシ)は・・・豪華ミステリー作家たち。
被害者(ガイシャ)は・・・12才以上の読者。
凶器は・・・面白すぎる物語。
――というコンセプトの、いわばジュブナイルであるが、この第一作『タイムカプセル』につづいてラインナップされたのが、折原一の46作目となる、その姉妹編の本書で
ある。
埼玉県北東部の小さな町にあり、いまは廃校となった栗橋北中学校。その3年B組の数人に10年ぶりのクラス会の通知が届く。幹事の名前に誰一人見覚えがなく、会場が夜の学校の校舎であることが不安をかきたてる。これは10年前の忌まわしい「肝だめし」に関係があるのか・・・。
本書はノスタルジック・ホラーの範疇に入る作品だろうと思われるが、いつもの折原一のような、凝りに凝った「文章そのもの」をトリックに使ってしまう叙述ミステリーの影は薄く、ジュブナイルだから仕方がないとはいうものの、おとなの読者が期待する“言葉の魔術師”の本領発揮とまではいかない作品だった。