今日読み終えた本

立ち直るための心理療法 (ちくま新書)

立ち直るための心理療法 (ちくま新書)

本の雑誌ダ・ヴィンチ』10月号の「旬の本棚」で「新しい自分を発見するために独りを味わいつくす本31冊」のうちの一冊として紹介されていたので読んでみた。
第1章では心の病気の種類について、うつ病などの精神病と心身症神経症、依存症の違いが述べられている。
第2章では「幼児期のトラウマだ」などと心の病気の原因究明をすることは、治療や問題解決には有害無益と断じている。
第3章では精神科医・カウンセラーの上手な使い方を述べている。精神科医やカウンセラーの腕前には人によって雲泥の差があり、悪い例も挙げ、その見分け方・選び方も紹介している。
第4章はさまざまな現代心理療法の紹介。
第5章では心の病気の治り方について述べている。ここで私が関心を持った部分は、
1.「クスリを飲まなくても済むようにしよう」というような「マイナスの何かが「ない」状態」を目標にするのではなく、「海外旅行に行けるようになる」などの「プラスの何かが「実現した」状態」を目標にしたほうがよい。
2.「医者に止められているのに毎日ウィスキーを1本飲んでしまう」→ネガティブにとらえず、「2本目のウィスキーに手を出さずに済ませている」方に注目し、1本で食い止めていることに成功していることは、自分を尊敬する十分な理由を持っていると思うこと。
本書を読んで、どうやって「立ち直る」かを再認識し、いま一度考えてみることができた。