今日観た映画---博士の愛した数式

wakaba-mark2006-02-19


原作は’04年「読売文学賞」、「第1回本屋大賞」受賞作で小川洋子のベストセラー、『博士の愛した数式』。
通いの家政婦‘私’の視点で描かれていた原作とは異なり、成人して数学教師となった息子の√(ルート)が教壇に立ち、生徒たちに自己紹介代わりに博士と過ごした17年前を回想するというスタイルになっていた。
映画『半落ち』、『CASSHERNキャシャーン)』やTVCMなどで最近老人・科学者役が増えた寺尾聰の80分しか記憶がもたない博士も板についていた。その純粋なところが良かった。もっとも原作ではメモを身体中にいっぱい張り付けている、猫背で小柄なやつれた老人という印象であったが・・・。
また深津絵里も従来出演していたトレンデーィーなドラマの役とはまったく違う、初めての子連れの家政婦役を上手くこなしていた。ベテランの所帯じみた家政婦でないところなんか原作とまったく同じで、その初々しさがまた良かった。
2年前に読んだ原作の、ピュアーな博士をめぐる、あの美しくも切ない世界がどれほど映画で表現されるか興味があったが、一緒に観ていた涙腺の弱い妻が、ラストにいたって涙を浮かべるほど十分感動的なストーリーに出来上がっていた。