今日読み終えた本

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)

ユダヤ人大富豪の教え 幸せな金持ちになる17の秘訣 (だいわ文庫)

今月大和書房が「だいわ文庫」を創刊した。本書は創刊ラインナップ10冊の内のひとつで、’03年単行本で刊行された当時ベストセラーとなった話題の書である。
内容は著者の若き日の実体験に基づき、それを膨らませた形で、20才の‘僕’がフロリダの大富豪ゲラー氏から“幸せな金持ちになるための心得”の修行・伝授を受けるというもの。著者自身、実際に試して効果があったものばかりだと言う。20才のときの著者の夢は、個人的な生活では、ほぼすべて実現したとも言い切っている。
①「第1の秘訣」で、“自由人”、“不自由人”について述べられているが、ゲラー氏の区別するところに依ればほとんどの人が“不自由人”の中に入ってしまい、やはり“幸せな金持ち”とはホンの一握りの人しかなれないのだなあと、冒頭からカウンターパンチを食らった気がした。
②私自身もっと若い(すくなくとも20代)のうちに読んでおきたい本だった。48才ともなると、なんでも吸収しようという柔軟性や、みずみずしい感性、何よりも“幸せな金持ち”になりたいという意欲そのものが失われてしまっている。
③ゲラー氏の語ることはどれも一見簡潔かつ具体的で分かりやすく見えるが、その実、抽象的・観念的であり、つかみどころがなかった。机上の理想論を述べているようで、なかなか頭の中にすーっと入ってこなかった。②とも関係して、私がどうも理屈っぽくなってしまっているのがいけないのだろう。
しかし考えてみれば、何も本に書かれていること(ゲラー氏の言葉)をすべて実践することはない。48才の私でも、これから心得て試して遅くないエッセンスを汲み取ればよいのではないか。少なくともこの本を、興味を持って手に取ったのだから。