今日読み終えた本

wakaba-mark2006-03-06

風葬の教室

風葬の教室

月刊『ダ・ヴィンチ』'06年3月号のコラム「PocketEssay」で、ある読者が本書を「私を変えた1冊」として挙げていたのが妙に記憶に残っていて、BOOK・OFFで購入して読んだ。
風葬の教室』の主人公は小学5年の女子転校生の‘私’。父親の仕事の都合で転校を繰り返す‘私’は、いつも“退屈な平和”を転校先の学校に対して望んでいた。しかし今度の学校では、いろんな要素が重なってイジメにあう。自殺まで考えた‘私’が立ち直るためにとった解決方法は、イジメの相手を“軽蔑”という二文字で(想像上)殺して野ざらしにしておく(風葬)ことだった。
小学生がここまで達観してしまうのか・・・。たとえ小学校とはいえ、「学校」とはこれほど息苦しいものだったのか・・・。などと、つい引き込まれるように読んでしまった。
併録の『こぎつねこん』は、若い母親の子守唄に恐怖と孤独を覚える5才の時の自分を、男の胸の中で目覚めた20年後の今の‘私’が回想するお話。こちらも味読に値する作品だった。