今日読み終えた本
- 作者: 水田美意子
- 出版社/メーカー: 宝島社
- 発売日: 2006/02/20
- メディア: 単行本
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書いたということで選考会を紛糾させた問題作(!?)である。
暴風雨におそわれる絶海の孤島。その廃墟で起こる半端じゃない数の大量殺人。
奇抜で猟奇的な殺し方。ピエロの扮装をした殺人者。インターネットでの殺人中継。
また、ネット上で開催される、死ぬ順番を予想するトトカルチョ。
さらには太平洋戦争末期、旧日本軍が残したという時価1兆円にも及ぶ財宝。
スクープをもくろむマスコミや、対処に困惑する警察と役所。
最後に明かされる意外な真犯人。
ミステリーの道具立てとしてはこれ以上ないほど絢爛豪華である。
しかしながら話題性が先行した感はどうしても否めない。「このミス大賞」だからこそ、また「このミス大賞」でしかこの作品は評価されなかったのではないかと思う。
まず、そもそもの設定からしてまったくありえない。
次に、よくいえばテンポ良く進むストーリー展開は、裏を返せば、荒っぽくて、大量殺人の論理性や必然性がない。
そしてエンターテインメントとしてのミステリーというには、どうみてもまだ12才の少女の習作のレベルであり、あまりにもあっけらかんとしていて、私には若い人たちのメールの断片的なやりとりを、つながりのある文章にしたお話を見たような感じがした。
もしかしたら中年の私には若者の感性が理解できないのかもしれない。
できればティーンエイジャーの読者のみなさんの読後の感想を聞いてみたいと思う。