今日読み終えた本

猟犬探偵 (光文社文庫)

猟犬探偵 (光文社文庫)

稲見一良(いなみいつら)の作品は、「このミステリーがすごい!」国内編で、’91年、『ダック・コール』が第3位に、’93年、『セント・メリーのリボン』が第3位にランクイン
した時から気になっていた。
’94年に彼が亡くなった後、これらや『ダブルオー・バック』、遺作集『花見川のハック』など、彼の著した短編集の数々を読んで、いたく感動した覚えがある。
本書は、名作中編「セント・メリーのリボン」の続編となる、行方不明になった猟犬の
探索を生業とする“猟犬探偵”竜門卓を主人公とした4つの短編からなる遺作短編集である。やはり「このミステリーがすごい!」国内編で’94年、第5位になっている。
今回は猟犬だけでなく、なんとトナカイや引退した競馬馬などをも探すことになる。
竜門は、行動やアクションそのものはアウトローで荒っぽいが、ストーリー展開は
なぜか人生の哀愁が漂い、各編とも、読み終わったあと胸にズンと来るものがあった。