今日読み終えた本

病気にならない人は知っている

病気にならない人は知っている

’04年にアメリカで出版されて以来、900万部を超える記録的ベストセラーとなった
本の翻訳である。日本でも発行以来たちまち版を重ねている。原題は『NATURAL 
CURES(自然療法、自然治癒)』。
本書の構成は、自らの若き日の体験と自然療法との出会いから始まって、病気に
「かかる」、「なる」の4つの原因<体内毒素、栄養不足、電磁波、ストレス>の対処法、そして現代人をここまで追い詰めた大企業や行政の欺瞞を糾弾することで結んでいる。
本書の核をなすパートで、注目すべきは、4つの原因のうち、「<毒素>をいかにして体内に取り込まないか」である。しかし、「笑う」、「深呼吸をする」、「水道水を飲まない」、「ファーストフード店では食事をしない」あたりまではなんとか実行可能だが、
大半は、現代に普通に生活している私たちには実行が難しいか、またはけっこうお金が必要になる。いくつか挙げてみると、「メーカー品を食べない」、「養殖魚、豚肉、貝を食べない」、「蛍光灯は使わない」、「自然食品サプリメントを毎日摂る」、「金曜日の日没から土曜日の日没まで休息する」、「新聞を読まない、ニュースを見ない」、「とにかく有機のものを食べる」、「スーパーでは買い物はせず、地元の自然食品店や健康食品店で買う、生産者直販マーケットに行く」、「定期的に自然療法の治療師に診てもらう」などなど・・・。
本書で述べられていることは、なるほど正しいし良いことばかりだが、「自然」のものを手に入れるのが困難でお金もかかる現代人にとって、どれほど実行可能で説得力があるかは疑問である。これも「自らの利潤追求を優先」し、「環境を汚染、破壊」してきた私たちへの強烈なしっぺ返しかもしれない。