今日読み終えた本

wakaba-mark2007-02-15

侵入社員〈上〉 (新潮文庫)

侵入社員〈上〉 (新潮文庫)

侵入社員〈下〉 (新潮文庫)

侵入社員〈下〉 (新潮文庫)

本書は、講談社 『IN・POCKET』 の「’06年文庫翻訳ミステリー・ベスト10」(写真右上)で、<翻訳家&評論家が選んだ>部門で第10位、<総合>第20位にランクインしている。
ハイテク企業の若手ダメ社員の横領がばれ、彼は、警察に引き渡される代わりにライバル会社にスパイとして“侵入”することを余儀なくされるが、そこで意外な才能を発揮し、CEOの補佐役に抜擢され、高額な給料、会社での専用の部屋、豪華なスポーツカー、住居用に快適なコンドミニアムと、夢のような生活を手に入れるが・・・。
読みどころは、なんといっても主人公、アダムが“侵入”したライバル会社の新製品情報を手に入れて、自分の本来の会社に流すため、深夜・早朝に上司や担当責任者の部屋に忍び込んで、ファイルを探したり、コンピューターを不正に操作したりする場面である。セキュリティーは突破できるか、痕跡は残さないか、また警備員か社員の誰かがやって来て見つかるのではないか、読んでいる方がハラハラ・ドキドキとしてしまうほどスリル満点である。
やがてアダムは、“侵入”先のライバル会社で恋人もできて、待遇にも満足して、父親の死をきっかけに、スパイ活動から足を洗いたいと思い始めるのだが・・・。予想外の結末が待っていた。
私もこういう小説は、今まで読んだことがなかったので、ついついページを捲る手が
進み、文庫上・下巻あわせて725ページをあっという間に読み終えてしまった。
本書は、日本でもドラマになりそうな企業スパイ・ノヴェルである。