今日読み終えた本

シティ・オブ・ボーンズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

シティ・オブ・ボーンズ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

“当代最高のハード・ボイルド”といわれる、マイクル・コナリーの<ハリー・ボッシュ
シリーズ第8弾。はじめて早川書房からの出版である。
’03年度のアンソニー賞ベスト・ノヴェル受賞作で、同年「このミステリーがすごい!」で海外編第17位にランクインしている。
一匹の犬がくわえてきた骨が、過去の事件を呼び覚ました。鑑定の結果、骨は10才から13才くらいまでの少年のものと推定され、死亡時期は20年から25年前、生前には長期間にわたりひどい虐待を受けており、死因は鈍器による頭部への殴打であることがわかった。
やがて現場近くに住む小児性愛者が容疑者として浮上し、ボッシュが尋問に当たるが、手違いから男の逮捕歴が報道されてしまい、男は無実を訴え、不当な取調べを
糾弾する遺書を残し、自殺してしまう。他にも色々と事件や不手際が重なり、署内での風当たりが強まるなか、ついにボッシュはロス市警副本部長から引退の勧告を受け、限られた時間のなかで刑事生命を賭けて、事件解決に邁進するのだが・・・。
二転三転する幕切れは鮮やかだし、つねに自分の人生について問いかけ続ける、
孤高なボッシュの魅力にもかげりはない。本書は、最大の転機を迎えたボッシュ
描いた、シリーズを代表する傑作と言えるだろう。
「(どこにいるの、タフガイさん?)」「『どこにもいない』ボッシュは声に出して言った。」