今日読み終えた本

最も危険な場所〈上〉 (扶桑社ミステリー)

最も危険な場所〈上〉 (扶桑社ミステリー)

最も危険な場所〈下〉 (扶桑社ミステリー)

最も危険な場所〈下〉 (扶桑社ミステリー)

スティーヴン・ハンターの“アール・スワガー・サーガ”3部作の2作目。時は前作『悪徳の都』から5年が経過した1951年、活劇の舞台は、20世紀の半ばになったこの時期ですら根深い人種差別の残るアメリカの最南部、ミシシッピ州の州立刑務農場(苛酷な黒人収容所と言った方が分かりやすいかもしれない)である。
物語は、アールの親友の弁護士サムが、破格の依頼料で受けた人探しの調査で赴いたミシシッピ州ティーブズの町で不当逮捕を受ける。サムが予定の日程が過ぎても帰ってこないのを不審に思ったアールは現地に向かう。サムを脱出させたものの囚われの身となったアールは、そこで人種差別主義者によって支配された想像を絶する地獄を味わうことに・・・。彼は苦境に立たされながらもなんとか脱獄を果たし、復讐のために歴戦のガンマンたちを呼び集める。
一方サムは、ティーブス存続の鍵を握る謎の医師の正体を究明するための調査に躍起になって取り組む。そして、来るべき新月の時・・・。
本書は、アール・スワガーと古強者の仲間たち6人による、“最後のOK牧場の決闘”であると同時に、アールのガンファイトを含めた格闘シーンがふんだんに盛り込まれた、いわば総合格闘術の醍醐味を満喫できる一大アクション・冒険巨編である。
本書は、’02年、「このミステリーがすごい!」海外編第13位にランクインしているが、父親の“アール・スワガー・サーガ”3部作の2作と、息子の“ボブ・リー・スワガー・サーガ”4部作全部にまたがる6作品がすべて「このミス!」の20位以内にランクインしているのは、マイクル・コナリーの“ハリー・ボッシュ・サーガ”シリーズと競う快挙である。


次作ではアールは、1953年のキューバハバナに現れるそうである。今からその
活躍ぶりが楽しみだ。