今日読み終えた本

ハリウッド警察25時 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

ハリウッド警察25時 (ハヤカワ・ポケット・ミステリ)

’07年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第9位、「このミステリーがすごい!」海外編第15位にランクインした警察小説。
ジ・オラクル(神託)は、勤続46年、68才。その経験や知恵、金言を好んで言うこと
からそのニックネームで呼ばれるベテラン名物警邏巡査部長。ロサンジェルス市警
ハリウッド署には彼を中心に、サーファー警官や超映画オタク警官、金持ちのボンボン警官やヴェトナム帰還兵、そして若きママさん警官など、極めつきの個性派がそろっている。
華やかな映画の都の街の裏側には、さまざまな犯罪がひっきりなしに起こっている、
そんなこの街の治安を守っているのは彼らパトロール班の面々だ。麻薬、売春、窃盗、レイプ、おとり捜査に殺人、時には命の危険に関わる闘いもある。
一方、郵便物荒らしに励むヤク中のカップルや、映画のキャラクターの扮装で軽犯罪を犯す者、警官ももてあますホームレスなど、街の人々も奇人変人ばかり。
物語は彼らが織り成すエピソードをちりばめながら、あるロシアバーの支配人が絡む
ATM強盗殺人事件を中心に進行してゆく。
しかし、ウォンボーの筆は、事件よりも、ひとりひとりの警官や犯罪者にスポットを当てて彫りの深い群像劇に仕上げている。今日も猥雑な街の喧騒が、多種多様な人間
たちの会話を通して聞こえてくるようだ。