今日読み終えた本

ルインズ〈上〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)

ルインズ〈上〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)

ルインズ〈下〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)

ルインズ〈下〉―廃墟の奥へ (扶桑社ミステリー)

シンプル・プラン』で衝撃的なデビューを飾ったスコット・スミスが13年ぶりに書いた
2作目はメキシコの酷暑のジャングルを舞台にしたホラー・サスペンスだった。
カンクンでバカンスを楽しむ若い2組のアメリカ人カップルは、行方不明の弟を探しに行くというドイツ人の若者と知り合い、当地で仲良くなったギリシャ人観光客と共に6人で捜索に出かける。行き先は手書き地図に描かれた奥地の発掘現場。
軽い探検旅行のつもりだったが、たどり着いてみるとそこは地獄だった・・・。
マヤ人に周囲をかこまれ、退路を絶たれた6人に次々と災難がふりかかる。
さらに恐怖のツル性植物が生き物のように彼らに襲い掛かる。
果たして彼らは生きてこの災禍から逃れることができるのか・・・。
とにかく次はどんな展開が待っているのか予想もつかず、息を継ぐ章の切れ目もないため、どんどん読み進んでしまう。実際、文庫にして上・下巻693ページを一気に読みきってしまった。
本書は、身を切るような心理的サスペンスの傑作『シンプル・プラン』には遠く及ばないが、全編を通して生理的な恐怖が連続する、ホラー小説としては一定のレベルに達した作品であるといえよう。