今日読み終えた本

白骨 (新潮文庫)

白骨 (新潮文庫)

G・M・フォードによる<フランク・コーソ>シリーズの第3作。
今回もコーソと女性カメラマンのドアティのふたりが、生死をかけて活躍する。
物語はいきなり極限状態におかれたふたりが、ある一家の15年前の白骨死体を発見するというスリリングな場面から始まる。なりゆきで調査を始めるふたりだったが、
そこからある女性の恐るべき過去の連続殺人事件が次第に明らかになってゆく。
30年以上前に山の中の墓地に埋葬されたことになっていた子どもが、実は生きて
いて、各地を転々としては自分の夫や子ども、教会の老修道女など次々と人を殺していたのだ。
いくつかのサイドストーリーをはさみながら、ふたりがその女性の軌跡を追ってアメリカの中西部から東部を駆け回る展開はスリルとサスペンスに満ちている。
また最後に犯人と対決するシーンでは思いもよらない、そして戦慄の余韻を残すような結末が待っていた。
本書は、フィクションの世界にひたりながら一気に読ませるリーダビリティーを持った、G・M・フォードの読者に対するサービス精神が充分に発揮されたエンターテインメントである。