今日読み終えた本

ふたりの逃亡者 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

ふたりの逃亡者 (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

本書は、ふたりの女性の逃避行を描いたサスペンスである。
アメリカ政府の極秘情報機関<ザ・セラー>の元工作員ガントが癌で死んだ。一緒に暮らしていたニーリーは、ガントの遺したメッセージの断片を追ううち、夫が失踪した
主婦ハンナとめぐりあう。ふたりのパートナーは、何か国家的な秘密を隠していた。
ニーリーとハンナは行動をともにする必要に迫られ、自分たちの命を守るため、さらにはふたりを結びつけた陰謀の真相を探るため、<ザ・セラー>の追求の手を逃れて
必死の逃避行を繰り広げることとなった。
<ザ・セラー>が差し向けた病的な殺人鬼で工作員ラシーンを向こうにまわして、
ある時はコロラドの断崖で、ある時は雪のロッキー山中で、ふたりは敵を翻弄し逃げ
つづける。
本書では、ストーリー展開はともかくとして、ガントに鍛えられた“強い”ヒロイン、ニーリーのアクションシーンには見るべきものがある。また一介の平凡な専業主婦ハンナが、ニーリーと一緒に行動するうちに、次第に“強く”なってゆくのも興味深い。