今日読み終えた本

傷痕(きずあと)〈上〉 (ヴィレッジブックス)

傷痕(きずあと)〈上〉 (ヴィレッジブックス)

傷痕(きずあと)〈下〉 (ヴィレッジブックス)

傷痕(きずあと)〈下〉 (ヴィレッジブックス)

「書店員さん、大絶賛−今年の徹夜本はこれで決まり!一気読みした人、続出!」
という帯の惹句にひかれて読んだ。
凶悪犯に夫と娘の命を奪われ、みずからも心と身体に深い傷を負ったFBI捜査官
スモーキー。
休職中の彼女を襲ったのはハイスクール時代からの親友惨殺の報せだった。現場には親友の娘とスモーキー宛の犯人からの挑戦状が・・・。職場に復帰したスモーキーとその仲間たちと、自分は“切り裂きジャック”の末裔だと名乗り、FBIを挑発し愚弄する犯人との熾烈な戦いがはじまる。
ストーリーは、男性作家ながら、スモーキーの微妙な女性心理をたくみにからませ
ながら、残虐なサイコパスと彼女を中心としたFBI捜査チームとの攻防がスピーディー
に描かれている。
犯人の残忍さ、執念深さ、FBIチームのメンバーのバラエティーに富んだパーソナリティー、形を変えながら次々に届く犯人からの挑戦状。なるほどページ・ターナーの要素は充分そなわった作品である。
しかし、物語自体どこかで読んだようなサスペンスの域を脱していないし、真犯人も
分かってみればそれほど意外な人物ではなかった。
本書は、あえて言えば、よくできた通俗エンターテインメントである。