今日読み終えた本

戦慄〈上〉 (ヴィレッジブックス)

戦慄〈上〉 (ヴィレッジブックス)

  • 作者: コーディマクファディン,Cody McFadyen,長島水際
  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2007/11
  • メディア: 文庫
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戦慄〈下〉 (ヴィレッジブックス)

戦慄〈下〉 (ヴィレッジブックス)

デビュー作『傷痕』に次ぐ、コーディ・マクファディンの<FBI捜査官スモーキー>
シリーズの2作目。
一家3人惨殺現場にひとり生き残って立てこもった16才の少女サラ。彼女は自分の
頭に銃をつきつけて、「スモーキーと話をさせてくれないと自殺する」と言う。休暇中のスモーキーは、さっそく現場へ向かう。そして前作でお馴染みとなった仲間たちと捜査を進めていくうちに、6才の時、実の両親を殺されるという過去から始まって、サラの
世にも恐ろしい体験を知ることに・・・。彼女にまとわりつく、壮絶なる復讐の天使
ストレンジャー”とはいったい?!
前作をしのぐ悲惨な事件、凄惨な描写、特に作中日記の『サラの物語』の目を背けたくなるような事件の連続。この犯人、ヒドすぎる・・・。それにもかかわらず、軽快なテンポで読み進むことができて、少しずつ解決に近づいていく緊迫感はさすがである。
本書は、前作よりも通俗性が抜けて、前作同様、魅力的なキャラクター造形の妙が
味わえて、スピーディでスリリングなストーリー展開を楽しめる。陰惨な犯罪を扱って
いながらも読後感がそんなに暗くなく、爽快感すら感じるのは、そんな本書の特長と、残酷な現実を見据えながらも、「希望」と名付けてもいいものが物語を貫いているからだろう。