今日読み終えた本

エンジェルの怒り (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

エンジェルの怒り (二見文庫 ザ・ミステリ・コレクション)

女性保護観察官キャロリンを主人公にしたサスペンス・シリーズの第2作。
キャロリンは、実の母親と妹をはじめとする複数の人間を殺害したモレノという男の
保護観察を担当することになる。彼は多くを語らないが、どうやら共犯者がいるらしい。
ところがさらに調査を続けようとした矢先、キャロリンの弟ニールに連続殺人の容疑がかかる。
当初はニールの無実を信じて疑わなかったキャロリンだが、やがてショッキングな事実が発覚する。そしてニールが容疑者になっている連続殺人事件と、モレノの大量殺人事件との関連が浮上し、事態は誰もが予想もしなかった展開をみせてゆく。
彼女の身にも危険が迫り、彼女は、罪のない人間の命を危険にさらすか、自分と自分が愛するものを守るかという、究極の選択を迫られることになるのだった。
ラストの、キャロリンが運転する赤いフェラーリでの、事件の黒幕との命をかけた
やりとりは、読みどころのひとつである。
本書は、“親子や姉弟の絆”にもふれた心理小説の側面も併せ持ちながら、前作の
『死のエンジェル』に引けをとらない、いやそれ以上に緊迫感にあふれた快作である。