読書記録51

奪回者 (講談社文庫)

奪回者 (講談社文庫)

グレッグ・ルッカの、“世界最強のハードボイルド”という惹句が付けられた、プロの
ボディーガード(パーソナル・セキュリティ・エージェント)、<アティカス・コディアック>
シリーズの第2弾。
前作『守護者−キーパー−』からおよそ4ヵ月後のニューヨークに雪が降る11月半ば。その事件で親友を失った痛手から傷心の‘わたし’ことコディアックは、ボンデージ
・クラブの用心棒として糊口をしのいでいた。ある夜、その店で男に絡まれている15才の美少女となったエリカに4年ぶりに再会するところから物語の幕が開く。
後日、かつて身辺警護をしていたエリカの父、いまは放蕩三昧のあげくエイズを患い、余命いくばくもないワイアット大佐から、エリカを預かってくれ、そして“敵”から守って
くれと依頼される。なんとその“敵”というのが世界最強最高という評価のある英国
陸軍特殊空挺部隊(SAS)のつわもの兵士だという。なぜ15才の少女をSASが狙うのか。詳しい事情を明かそうとしない大佐に、高額の報酬で無理やり引き受け
させられ、エリカの警護に仲間たちと臨む‘わたし’だったが、さっそく“敵”の襲撃が
あり、激しい銃撃戦へと発展する。
ストーリーは、大佐の元妻、エリカの母親で、かつて‘わたし’と不倫関係にあった
ダイアナが登場した辺りからおおきなうねりがおこり、状況は二転三転、任務の真相がわかりかけてきた頃には、事態はまたも悲劇的な結末へと転がりだすのだった・・・。
派手なアクションの連続、その果てに満身創痍の‘わたし’は私生活でつい魔が
さして・・・。
本書は、複雑な事情に振り回されながらも、世界最強の軍団SASの戦士たちをむこうにまわして文字通りの死闘を繰り広げる‘わたし’の姿を追った一作である。