今日読み終えた本

三百年の謎匣 (ハヤカワ・ミステリワールド)

三百年の謎匣 (ハヤカワ・ミステリワールド)

きのう予告した芦部拓の最新作。
こちらは作者のメインキャラクター「“弁護士探偵”森江春策」が登場するネオクラシックな本格謎解きパズラー。
作者や私が青少年の頃ワクワク、ドキドキした物語を彷彿とさせる6つのハリウッド映画のような、しかもそれぞれが謎を孕んだ冒険譚が、時代・世界・ジャンルを超えて短編として描かれ(1709年から1937年まで・海洋活劇やら秘境探検やらウェスタンやら飛行船の謎、果ては江戸時代の日本を訪れた英国人の関わった不可解な事件まで多種多彩)、それらが、それらをはさむ形でつづられる現在の事件にリンクし、森江探偵が論理的にすべての謎を解き明かすといった、贅沢な体裁をとっている。
いかにも博学多識な著者ならではの凝りに凝った絢爛豪華なミステリー作品である。