今日読み終えた本

裂けた瞳

裂けた瞳

’03年「第4回ホラーサスペンス大賞」大賞受賞作。
8月16日付当日記「読書記録」記述の『九月が永遠に続けば』の一年前の大賞受賞作だ。
身近にいる人や動物の見た光景が脳裏に浮かんでくる発作に悩まされる‘おれ’、彼と意識下でシンクロし、幽体離脱や憑依もするという不倫相手の若い同僚‘長谷川瞳’、彼と彼の家族を付け狙う‘復讐屋’の少年、そしてその‘復讐屋’を雇った‘謎の人物’。取引先の社長が殺され、長谷川瞳が謎の自殺を遂げ、‘おれ’の愛娘が‘復讐屋’に狙われる。
そして物語は激しい雷雨の夜に一気にクライマックスを迎える・・・。・・と、ここまで書くとすごい話に思えるが、事態は‘おれ’の‘母ちゃん’の話などを挟んで静かに進行して行く。
素材や道具立てはセンセーショナルで、一気に読ませるストリーテリングの手腕も見事だが、いまひとつ恐怖とかサスペンスを感じることが出来なかった。