今日読み終えた本

ビッグボーナス

ビッグボーナス

大手パチスロメーカー「ダッシュ電子」の企画開発部門を辞めた東俊哉は、「トリプルセブン」という小さな会社でパチスロの攻略法を売る仕事をしている。
攻略法といっても、ほとんどがガセネタ。それをパチスロ中毒者に数十万円で売りつけるというあくどい仕事だ。
そこでは悪徳商法でならした営業マンなど一癖もニ癖もある社員たちが、あの手この手で客から大金をふんだくっている。
ダッシュ電子」との密かなコネもあり、堅調なビジネスを進めてきた「トリプルセブン」の周囲で、怪しい出来事が起こり始めていた。そんな時、ライバル関係にある、業界最大手「東栄企画」との間に攻略情報を巡るトラブルが勃発した。「東栄企画」はヤクザ直営のヤバイ会社だ。
我が身と会社の利益を守るため東たちは立ち上がる。
本書は浅倉卓弥の大ベストセラー『四日間の奇蹟』がその第1回の大賞を受賞した「『このミステリーがすごい!』大賞」の昨年度第2回の優秀賞受賞作である。
私は、世の中にはこんな反社会的でアウトローな職業が存在することは理解できるが、東のようなふつうの人間がアウトローなヤクザを相手に拳銃で派手な立ち回りを演ずるところはいかにも非現実的に思えた。
このストーリーを痛快アクション小説と見るか、業界ウラ話的物語と見るか、感想が分かれるところであろう。