今日読み終えた本

人は見た目が9割 (新潮新書)

人は見た目が9割 (新潮新書)

この本は、人は外見で9割がた判断されてしまう。見てくれのイイ人が得をする。容姿に自信のない醜男・醜女は洗練された容姿を手に入れるよう努力せよ。そのための方法は・・・。といった内容の本ではない。タイトルや帯の文句に惑わされそうである。
心理学では、人間が伝達する情報の中で、話す言葉の内容そのものが占める割合は7%にすぎないそうである。そこで、7%にすぎない「話し方」を研鑽するより、93%の「見栄え」を身につけよ。というわけだ。
本書は演劇やマンガを仕事にする著者が、主に自分自身の経験に基づいて書いた、「非言語(ノンバーバル)コミュニケーション」の解説書である。
著者は本職の経験と、心理学の側面から、「表情」、「アイ・コンタクト」、「姿勢」、「間(ま)」、「色」、「におい」、「相手との距離」、「マナー」などの「非言語コミュニケーション」の基本的な効用について述べているが、高校生以上ならば、たいていは、改めて言われなくても分かっていることではないかと思う。少なくとも私はもう少し突っ込んだ内容を期待していた。
本書は最近、新書部門で『下流社会』や『国家の品格』、『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?』などと並んで話題を集め、ベストセラーの仲間入りをしているが、タイトルと帯の文句のインパクトだけで売れているような気がする。最初に言ったような誤解をして手に取る人も多いのではないだろうか。もう少しタイトルのつけ方に誠意があっても良いのではないかと思った。