今日読み終えた本

wakaba-mark2006-07-18

ボーン・コレクター 上 (文春文庫)

ボーン・コレクター 上 (文春文庫)

ボーン・コレクター 下 (文春文庫)

ボーン・コレクター 下 (文春文庫)

’99年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第1位、「このミステリーがすごい!」海外編第2位。
リンカーン・ライムを主人公にした、ジェフリー・ディーヴァーの看板シリーズの
記念すべき第1作である。デンゼル・ワシントンアンジェリーナ・ジョリー主演で映画化もされた(写真右上)。このシリーズは現在第7作までリリースされている。
日本では5作目までが翻訳され、いずれもミステリーランキング上位の常連となるほど、読者の支持を得た、魅力あふれるシリーズである。
ライムは、捜査中の事故で四肢麻痺の体となり、左手の薬指と両肩と頭だけしか動かすことができない。彼は行動派の女性巡査アメリア・サックスを目・耳・鼻・手足として、科学捜査の粋を集め、主役をもしのぐ印象的な犯罪者を相手に、難事件に取り組むのだ。
最初の強大な敵は、連続殺人鬼‘ボーン・コレクター’。数時間おきに新たな被害者を拉致・監禁する‘ボーン・コレクター’。そして被害者の周囲に、次の犯行現場と時刻、殺害手口を示す手がかりを残しながら、次々と犯行を重ねていく。
ライムは、得意の科学捜査と、研ぎ澄まされた洞察力で‘ボーン・コレクター’のメッセージを分析・解読し、次の犯行現場を特定し、殺される前に被害者を救い出さなければならない。次から次に、何度も迫り来るタイムリミットを前にした ‘ボーン・コレクター’ とライムとの知恵比べ。そして‘ボーン・コレクター’の魔手は、アメリアとライムにも
のびる。
さらにライムは、犯行の度に残された証拠から、‘ボーン・コレクター’をプロファイリングしてゆく。本文中に挿入された「表」に項目が書き加えられてゆくにしたがって、次第に浮かび上がってくるいびつな犯人像、その過程の緊迫感も本書の読みどころである。
ジェットコースターのようなスピード感あふれるサスペンスの連続と、うねりのある
ストーリー展開、そして知的好奇心をくすぐる詳細な鑑識・科学捜査のまえに、読者はただただ圧倒される。