今日読み終えた本

コフィン・ダンサー 上 (文春文庫)

コフィン・ダンサー 上 (文春文庫)

コフィン・ダンサー 下 (文春文庫)

コフィン・ダンサー 下 (文春文庫)

ボーン・コレクター』に続く、ディーヴァーの<リンカーン・ライム>シリーズ第2弾。
’00年、「週刊文春ミステリーベスト10」海外部門第8位、「このミステリーがすごい!」海外編第10位。
ライムが次に対するのは、依頼されたターゲットは決して外さない、殺し屋‘コフィン・ダンサー’。このシリーズ屈指の強敵といわれている。
拘置されている大物武器密売商の裁判で、彼を有罪にする3人の重要証人を抹殺するべく雇われた‘ダンサー’。そのうちのひとりが航空機に仕掛けられた爆弾で事故死するところから物語の幕が開く。ライムは、45時間後の大陪審まで残るふたりの証人を守り、‘ダンサー’を倒さなければならない。実はライム自身も、5年前、‘ダンサー’に部下をふたり殺されていた。今回はその復讐でもあるのだ。
ライムは、ときには顕微鏡でなければ見えないほどの微細証拠物件の解析と、それらをもとにして、誰よりも鋭い洞察力で罠を張るが、‘ダンサー’も動物のような勘で次々とかいくぐり、目的を果たすべく、狡猾な頭脳と行動力で、執拗に獲物を狙う。
そして物語は、再び爆弾を仕掛けられた航空機をめぐる空中での攻防シーンから、
‘ダンサー’最後の襲撃へとなだれ込む。
そして、さすがはディーヴァー、ラストにはとっておきの“どんでん返し”が待っていた。
本書は、迫り来るゼロアワーの制限のなかで、次々と繰り広げられるライムvs‘ダンサー’の息詰まる対決で貫かれており、密度の濃いスリルとサスペンスの波状攻撃に
読者はさらされっぱなしである。
前作同様、アメリア・サックスをはじめ、ライムを取り巻くメンバーと、科学捜査の粋を
集めた豊富なディテールも健在だ。さらに今回は、‘ダンサー’逮捕に執念を燃やし、
珍しく感情をむき出しにするライムの姿からは鬼気迫るものを感じる。