今日読み終えた本

風の男 白洲次郎 (新潮文庫)

風の男 白洲次郎 (新潮文庫)

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)

プリンシプルのない日本 (新潮文庫)

第9条をメインに、憲法改正論議がかまびすしい昨今、戦後、現憲法誕生の現場に
立ち会った男として白洲次郎が注目を集めている。
彼を描いた、また彼自身の直言を集めた上記2冊もベストセラーとなり版を重ねているとあって、早速読んでみた。
開戦以前に、すでに米英との戦争を予言した男。そして必ず敗戦すること、食糧不足に陥ることを見越して、田舎に引きこもり百姓になった男がいた。
終戦後は、吉田茂に重用され、側近として戦後日本の建て直しに八面六臂の活躍をした男。GHQを相手に一歩も退かず、「従順ならざる唯一の日本人」と言わしめた男がいた。
そして活動を政治の世界から実業界に移してからも、『文藝春秋』誌上などで、政府の政策や「日本人」に対して目を光らせ、鋭い「叱責」の数々を浴びせる男。
白洲次郎とはそんな男だった。
戦後史の重要な幾多の場面に立ち会いながら、政治家でも官僚でもない無位無官の人だっただけに、記録に残らず、一般には(特に現代の人々には)よく知られていなかったようだ。私も今回これらの本を読むまで、「これほど洒落て颯爽とした、かつ強靭で凄い人がいた」とは、まったく知らなかった。
ストレートに感動し、また驚いてもいる。


折りしも、今発売中の『週刊現代』の巻頭カラー・グラビアページで白洲次郎のことが詳しく紹介されている。