今日読み終えた本

殺しのグレイテスト・ヒッツ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

殺しのグレイテスト・ヒッツ (ハヤカワ・ミステリ文庫)

“殺し屋”をテーマにした15編の短編からなるアンソロジーである。
ラインナップは、アメリカにおけるミステリーの最高峰、「MWA(アメリカ探偵作家クラブ)賞」・通称エドガー賞の’06年度最優秀短編賞受賞作、ジェイムズ・W・ホールの「隠れた条件」をはじめとして、ローレンス・ブロックジェフリー・ディーヴァーなどのベテランやベストセラー作家の作品から、売り出し中の新人作家の作品まで、当代オールスターキャストが勢ぞろいしている。
印象に残った作品を2、3挙げてみる。
殺しの報酬がたった200ドルと言われ、何か他に条件があるのではないかと依頼人は疑心暗鬼になるが、さてその結末は・・・・―ジェイムズ・W・ホール作「隠れた条件」。
飼い犬を轢き殺したやつを殺してくれと言う奇妙な動機を持った依頼人に対して殺し屋は・・・―ジェフ・アボット作「カルマはドグマを撃つ」。
ダイイング・メッセージの解釈が二転三転して、最後に作者ならではの“ひとひねり”が楽しめる、エラリー・クイーンばりの典型的なパズル・ストーリー―ジェフリー・ディーヴァー作「章と節」。
その他にも、(一部英国の作家の作品もあるが)いかにもアメリカンな、ユニークなキャラクターたちが登場して、ポップでテンポのいい作品ばかりが収録されているのだが、残念ながら私には、アメリカンミステリーのツイストとウィットがなかなか理解しがたくて、十分本書を楽しむことができなかった。