今日読み終えた本

好調な成長を続けているキヤノン発展の道筋を、主に’95年に第6代社長に就任
した、現会長兼第2代(現)日本経済団体連合会経団連)会長の御手洗冨士夫氏の手腕を軸に描いたノン・フィクションである。
キヤノン高収益復活の秘密』という、’01年発表の本をベースに、’04年、文庫
として出された本書は、創業以来の伝統を引き継ぎ、さらに発展させた御手洗氏の、キヤノンの「高収益を生み出す、和魂洋才経営」と「改革」について書かれている。
キヤノンは日本的経営の根っこの部分は守りながらも革新を続ける企業である。
しかし、その根本には徹底的な合理主義があるので、自社の改革のうえでプラスに働くものなら何でも取り入れる。「終身雇用」でありながら「成果主義」、「全体」と「部分」、「トップダウン」と「ボトムアップ」という具合だ。まさに他の何物でもない“キャノン式”
経営である。日本経済新聞社の、担当した編集局の、その取材力と分析力にも脱帽した。
本書を読んでいるまさにその最中に、米国のカメラ市場でキヤノン製品のシェアが
トップになったというニュースが飛び込んできた。私も今度デジカメを購入する時は
キヤノンのものにしようと思った。