今日読み終えた本

寝ても覚めても本の虫 (新潮文庫)

寝ても覚めても本の虫 (新潮文庫)

「パネルクイズ・アタック25」の司会者や、「テレフォン人生相談」のパーソナリティー
としての児玉清氏も、紳士的で好感が持てるが、私はやはり「NHK週間ブックレビュー」の司会をしている児玉氏が一番好きだ。芸能界きっての読書家であるご本人も、趣味の「本」について語るときが一番うれしいのだろう。時として、少年のように無邪気に
映る場面がある。
そんな本好きの児玉氏が海外のミステリーを中心とした面白本探求の本を出したと
あっては、同好の私としても見逃すわけにはいかない。
まず驚いたのは、邦訳を待ちきれず、またペイパー・バック化(日本で言う文庫化)すら待ちきれず、原書をぴかぴかのハード・カバー版で購入されて読んでおられることだった。その語学力というか読解力もさることながら、“真の海外本好き”が窺えるではないか。
次に、行間から漂う、“読む”ことの喜び。不要な薀蓄は一切なく、ただストレートに作品を紹介して、感動しておられる。そのスタイルがまた一番読み手の心を揺さぶるのである。
第3部の「わが愛しの作家たち」などは、何度読み返しても飽きることがなかった。
とりわけ、私の大好きなジェフリー・ディーヴァーの作品についても、なんと児玉氏
ご本人の手による、お上手な似顔絵とともに紹介されており、感激した。
本書は、私にとっては、ず〜っと近くに置いて、好きな時に開いては読み返してみたくなる、そんな座右の書となった。