今日読み終えた本

インモラル (ハヤカワ・ミステリ文庫)

インモラル (ハヤカワ・ミステリ文庫)

国際ミステリー愛好会クラブのファン投票で選ばれる、マカヴィティ賞の’06年度、
最優秀新人賞受賞作。
文庫の帯に、ファンであるジェフリー・ディーヴァーマイクル・コナリーによる賞賛の
コメントがあったので、惹かれて読んでみた。
アメリカ中北部のミネソタ州。そのさらに北部で、スペリオル湖に面した地方都市ダルースが最初の舞台。ある日、ここでセクシーな女子高生レイチェルが失踪する。一年半ほど前にも別の少女が姿を消すという事件が起きていた。これらの事件は関連があるのか。ダルース警察のストライドは捜査を始める。やがて彼は、レイチェルの義父を
逮捕し起訴するが、その裁判で悲劇が起きる。
月日は流れて3年後、欲望と歓楽の街ラスヴェガスに舞台を移して、再び事件が
起こり、ストライドや、事件の関係者一同にまた悪夢が・・・。
フリーマンの日本語版著者あとがきの惹句によると、「本書には、サスペンス/スリラーを好む読者の誰しもが求める要素が備わっているとわたしは自負している。つまり、
心をぐいとつかむドラマ、魅力的なヒーローと悪役、そして最初から最後まで、ページをめくるのがもどかしいほどの意外な展開だ。」とあるが、リーダビリティーは確かに認めるけれども、ストライドが誰とも簡単にヨロしくなったりして、ストーリー運びやひとつひとつのエピソード描写の軽さは否めない。本書は、アメリカ版2時間ドラマといったところだろうと思う。