今日読み終えた本

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エドガー・アラン・ポーには、いまだに謎となっている死の際の、不可解な「空白の5日間」がある。本書は、豊富な学識に未発表の新発見を盛り込み、アメリカ文学史上に残るその謎の真相に肉薄した歴史ミステリーである。
主人公はボルティモア在住のクラークという27才の少壮弁護士である。彼はファン
レターのやり取りの経験もあるほどのポーの大ファンで、ポーが当地で客死したことの真相を突き止めようと決意する。彼は、ポーの作中の名探偵デュパンのモデルと思しきデュポントなる人物がいると聞いて、協力を仰ぐべくパリに渡る。そしてそこで「我こそはデュパンのモデルなり」というまた別の人物“デュパン男爵”とも出遭うのだ。
やがて彼はデュポントを連れてボルティモアに戻ることに成功するのだが・・・。
私は物語のテーマからある程度“論理的”なストーリーを予想したが、見事に裏切られた。本書は、一口で言えば、クラーク弁護士のパリとボルティモアをまたにかけた冒険物語である。彼は最後には“男爵”殺害のかどで容疑者にされ、官憲から追われることにまでなってしまうのだ。
本書は、「空白の5日間」に何があったかという知的好奇心をくすぐるテーマを軸とした、クラークの手に汗握る冒険譚なのである。