今日読み終えた本
- 作者: プリーストリー,安藤貞雄
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2007/02/16
- メディア: 文庫
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いうべき戯曲である。
時は1912年のある春の宵。舞台は英国の裕福な実業家の家庭で、娘の婚約を祝うディナーが一段落した食堂。突然、警部と名乗る男が訪れ、ある若い貧しい女性が
消毒剤を飲んで自殺したことを告げる。彼は、一家4人と娘の婚約者がこの事件に
深く関わっていることを次々に暴いてゆく。そして彼らこそが彼女を自殺に追い込んだのだと鋭く追求する。
本書は、ミステリーとして読んでも傑作であるが、上流階級一家のひとりひとりの秘密を暴き、彼らの傲慢さを痛烈に風刺しているのだ。
緻密な構成といい、畳み掛けるような快調なテンポといい、そして最後数行の大どんでん返し。思わず一気読みの文庫161ページだった。