今日読み終えた本

ザ・プレイ (元FBIアカデミーシリーズ) (集英社文庫)

本書は、全米ベストセラーとなった『ザ・ハント』『ザ・キル』とからなる３部作の第一作にして、アリスン・ブレナンの’０５年１２月刊行のデビュー作である。
ローワン・スミスは３３才、ＦＢＩ捜査官から作家に転身していまや売れっ子である。小説はすでにハリウッドで映画化もされ、今、３本目の映画撮影が進行中である。
そんな絶頂期におぞましい事件が発生する。小説に登場する殺人を細部まで見事に模した事件が連続して現実に起こるのだ。それらの殺人は、現場、手口のみならず、被害者の名前、年齢、職業など、すべてにおいてローワンが頭の中で構築して描いた架空の事件そのままなのだ。
やがてこのシリアルキラーは、魔の手をローワンにのばしはじめる。彼女にとっては
ボディーガードに２４時間体制で警護される生活が始まる。それでも殺人者の凶行は
とどまるところを知らない。
そして・・・ローワンには人に言えない凄絶な過去があり、それが今回の事件の元に
なっていることが分かる。“わたしが愛する人はみんな死ぬ・・・”
本書は、流行のサイコスリラーを軸に、手に汗握るスリル、背筋が震えるホラー、
胸焦がす熱いロマンスといったベストセラーの要素をふんだんに盛り込み、息もつかせぬ展開の連続でテンポよく一気に読ませるロマンチック・ローラーコースター・サスペンスである。