今日読み終えた本
- 作者: ジリアンホフマン,Jilliane Hoffman,吉田利子
- 出版社/メーカー: ソニーマガジンズ
- 発売日: 2004/11
- メディア: 文庫
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第1作であるが、なるほどそれらの経験に裏打ちされた、とてもデビュー作とは思え
ないほどの、全編スリルに満ちた大作になっている。
マイアミを中心としたフロリダを震撼させた連続猟奇殺人鬼、“キューピッド”。ある偶然から彼は逮捕される。気鋭の女性検事補CJが担当することになるが、被告人の声を法廷で聞いた彼女は慄然とする。それは、12年前彼女をレイプしたうえ重傷を負わせ、今なお悪夢の中で響く男の声だった。その日からCJの苦難の闘いが始まる・・・。
自身のレイプ事件を恋人にも明かさず、自分の胸にしまい、誰にも頼らず孤独に耐えながら検察側にとって決して有利とはいえない裁判にのぞむ彼女の姿に、ついつい
感情移入してしまい、ページを繰る手が止まらなくなる。
そして、ラストには思いもよらない危機がCJに襲い掛かる・・・。
本書は、恐怖におののき、苦悩しながらも自分の職責と正義を全うしようとするCJの女性心理をたくみに描いた傑作であると共に、法廷小説、警察小説、恋愛小説の側面も併せ持った第一級のサスペンス・スリラーである。