今日読み終えた本
- 作者: ジェフリーディーヴァー,池田真紀子
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 2008/10/10
- メディア: 単行本
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前作『ウォッチメイカー』でゲスト出演して、リンカーン・ライムの捜査を助けたキャサリン・ダンスが、本書ではスピンオフの形をとって主役を演じている。彼女はカリフォルニア州捜査局(CBI)の捜査官で、人間の所作や表情を読み解く「キネシスク」分析を
使う尋問の天才だ。
カルトを率いてある一家を惨殺した男ダニエル・ペルが脱獄、逃亡した。密かに協力者を使った計画的な行動だった。彼は何らかの目的があるらしく、遠くへ逃れずにモンテレーを離れない。キャサリン・ダンスは捜査の指揮をとるよう命じられ、CBIの仲間や
FBIのカルト犯罪のエキスパート、ケロッグ捜査官らとペルを追い詰める。しかし、
狡知な頭脳と絶妙な“勘”を持つ彼は、捜査の裏をかき、あと一歩というところで逃れつづけるのだった。
はじめはやや冗長の感があるが、そこはディーヴァー、中盤からはダンス対ペルの
ハイスピードで展開される頭脳戦、そして終盤ではお得意の二重三重のどんでん返しと、さすがに読者サービスに怠りは無い。また、ライムやアメリア・サックスもわずかではあるがカメオ出演していて、ファンにとってはうれしいご愛嬌である。
今後、キャサリン・ダンスを主人公にした作品は新たなシリーズとなるそうだが、次回は彼女がどんな強敵を相手に活躍するのか楽しみだ。