読書記録45
- 作者: スティーグ・ラーソン,ヘレンハルメ美穂,山田美明
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2009/04/02
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本書は第一部のような、36年前の閉ざされた孤島からの少女失踪事件、大富豪一族の闇といった、壮大なスケール感と謎解きの興趣はないものの、第一部で強烈な個性を持って登場した“ドラゴン・タトゥー”の刺青の女性リスベット・サランデルの衝撃的な「過去」がメインストーリーとなり、読者を惹き付ける。
これに、人身売買と強制売春の問題をフリージャーナリストから提案され、とりあげる
こととなった月刊誌「ミレニアム」がからみ、お馴染みの面々が登場し、そして連続
殺人事件が発生し、リスベットとミカエル・ブルムクヴィストとの接点となるのだ。
殺人の容疑者となって全国指名手配となるリスベット、難航する警察の捜査、捜査陣の足並みの乱れ、彼女の無実を信じて独自に調査を開始するミカエルとリスベットの雇い主アルマンスキー。そして新登場する金髪の巨人や犯罪組織の謎の黒幕ザラ、最後まで明かされないリスベットの12才のときの“最悪の出来事”。たったひとりで、
自分の「つくられた過去」に縛られながら敵に立ち向かう“女を憎む男たち”を憎む
リスベット。
本書は、これらエンターテインメントに徹した要素をふんだんに取り入れながら、映画のカットバックの手法を取り入れたスピーディーな展開で、さながらノンストップ・ジェットコースターのごとく描かれていく。
そして、圧倒的なリーダビリティーを持ったこの第二部は、いよいよ第三部『眠れる女と狂卓の騎士』へと続くのである。